シャコ・エビ日記

シャコパンチ、エビパチン研究者の記録

カニの帽子づくりにも個性

イカムリというカニは、海綿を削って自分の帽子をつくることが知られています。このカニに人工のスポンジを与えると、どうなるんでしょうか? 今回、白浜水族館の原田桂太さんとこのカニの行動実験を行い、プレプリント論文(未査読、出版前の論文)の段階ですが、アップロードしました。

 

Customizing material into embodied cap by sponge crab | bioRxiv

 

イカムリにサイズの違う人工のスポンジを与えると、同一個体でもその選択、切り出すサイズ、帽子の穴のサイズがゆらいでいました。大きい個体が大きい帽子をつくる傾向は予想通りでした。そして、個体ごとの行動のクセ、つまり「個性」があることが分かりました。次の動画撮影、帽子用イラストは原田さんが撮影、作画されたものです。

 

 

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カニの個性、それをどうやって考えたか、ということですが、個性を盛り込んだ統計モデルを作成して、その行動の特徴を抽出してみました。そのようなモデルは、モデルを構成するパラメータに階層構造を入れることで実現されます。モデルのパラメータ推定には、ベイズ的アプローチをとりました。そして、個性を前提としないモデルも複数あてはめてみて、予測という観点でモデルを比較して考察しました。その基準として、Widely Appplicable Information Criterion (WAIC) を使いました。WAICは、こうした構造のあるモデルの予測にも使うことのできるものです。

 

モデルの記述には、Stanという言語を用いました。最も予測が良かったモデルのコードは、次のページにまとめました。

 

https://gist.github.com/.../3188dd0a4571b068e501aeef9863e255

 

また後日、このコードについて解説を書きたいと思います。

追記:スポンジ選択のモデリングについて記事を書きました。

katsumushi.hatenadiary.com