シャコ・エビ日記

シャコパンチ、エビパッチン研究者の記録

昨年ふりかえり

年明けましたね。遅れましたが、おめでとうございます。年末に済ませるべきことですが、何となく昨年を振り返っていました。

 

一年前に、現在自分がどういう状況にいるかはまったく予想がつきませんでした。きっと、一年後もまたそうなのでしょう。そもそも渡米したときは、もう日本には帰ってこられないかもしれないとも思っていました。恩師には、米国でのキャリアを真剣に考えるようにと言われていました。結果的にはそうなりませんでしたが。

 

昨年は世間的には、何かと科学不正事件がお茶の間の話題になりました。その余波もあり、日本でのポスドクの窮状も報道されたようです。自身もその「ポスドク」ではあるのですが、ポスドクは多様です。あまり簡単にまとめられたくはないのが本音です。しんどい状況でネタにされると、ね。ネタだけならともかくそういう事情をメシのタネにされるのはいい気がしません。

 

昨年は僕自身はしんどい状況ではありましたが、公募にいろいろと出して、ようやくひとつは面接に呼ばれ、おっ、希望あるかもと思いながら帰国しましたが、このときのは縁がなく選ばれませんでした。いよいよ科学研究以外の仕事をせねばならないかと考えました。

 

しかし、捨てる神あれば拾う神があるもの。別の公募で面接に呼ばれた方は運よく内定をいただきました。学長と面接するという貴重な体験もしました。ぶっとんだ質問を受けて、自分の発想力のなさを痛感した面接でした。そんな反省もありましたが、幸運にも選んでいただきました。4月から京大の瀬戸臨海実験所でシャコ研究を続けることができます。この応募を真剣に考えはじめたのは昨年の3月頃で、とにかくチャンスがあれば行動しようという方針からの応募でしたから、本当に半年先が読めない人生です。

 

さて、この二回目の面接に先行して、静岡にてNHKの番組作成を協力したのも得難い経験でした。この話が舞い込んできたのは、ほぼ一年前でした。企画の段階から相談していただいて、いくつも質問をいただきました。シャコのパンチの威力を計測したいということで、計測機器を日本へ持って行きました。どういうチームで番組が作成されていくのか、どのくらいの費用、労力がかかって30分のあの人気自然科学番組が作成されるのかを垣間見ました。

 

番組の評判もなかなかのもので、モンハナシャコの魅力がより皆様に伝わったのではないかと思います。実際の番組の中ではカットされていた面白い行動(たとえば、交尾行動とか)もこの撮影中に見ることができました。それがカットされたのは、やはりスマッシング行動にフォーカスするためでしょうか。バリでの撮影には参加していませんが、その時のエピソードも水中動物撮影のプロたちから聞けました。「モンハナシャコは実に堂々と海の中を泳いでいる」ということです。フィールドで彼らを観察したことがありませんので、貴重なお話でした。今後は絶対にフィールドでの行動観察を行うつもりです。

 

総じて、昨年は、米国と日本間を二回往復し、北海道、関東、関西、九州地方を訪れたことになります。旅が多かった…そして実験室での研究がどうしても遅れてしまいました。まずは、3月の帰国前に現在のラボでできることに集中して取り組みたいと思います。