シャコ・エビ日記

シャコパンチ、エビパッチン研究者の記録

研究のよさ

いい研究とは何か.まずは研究の大きさを考えてみる.それにはコストとしてのヒト・カネ・モノと,成果としての解決する問題の大きさがある.問題の大きさというのは,とりあえずは,その問題が解決したときの有用度,しかも時間(現在,過去,未来)を無視した社会にとっての有用度,と考える.ここで注意すべきは,有用であることは,実用であることだけを意味しないということ.有用であることをもっと広く考えたい.


たとえば数学だとヒト・カネ・モノは小さいため,問題が小さくてもある程度意味のあるものになりうる.いわゆるビッグサイエンス,超巨大な実験機器を使って,たくさんの人が研究するようなのは,ヒト・カネ・モノが大きいため,それに比して問題も大きくないと研究の意味はほとんどなくなってしまう.そしてその他の研究はこの間のどこかに位置する.


たしかに,この大きさを公平に測るのは至難の技だ.一番は問題の大きさだろう.それは,われわれは時間を無視できないからだ.未来のことになればなるほど不確実で予想ができない.現在の価値に一番重みづけを行うのが,ヒトを含めた動物の価値評価の仕方だからだ.今千円もらうほうが,十日後に千円もらうよりいいに決まっている.


これを当たり前と認めると,100年後に有用か知れない研究より,10年後に有用な研究のほうがいいわけだ.そこで,有用度がすぐに測れないような学問というのは,別のアピールをしないと存在価値を社会に認めてもらえない.ここに複数の目的設定の必要性が生じる.つまり,ほんとうの目的とは別に,近視眼的な有用性を持った目的を設定する必要性がでてくる.おそらく,最近の露出度の高い科学者は,社会への対応の仕方として,その有用性をエンターテイメントに向けた.そう考えることができる.