シャコ・エビ日記

シャコパンチ、エビパッチン研究者の記録

論文投稿を終えて風邪気味

さてさて、論文投稿を終えた。水泳部の先輩であり、研究の先輩であるO次郎さん→http://blogs.yahoo.co.jp/ojiro90/45020722.htmlにも書き始めが研究の折り返し地点というお話を聞いたので、さしずめ残り1/4というところか。これがリジェクトされたら、次、書き直し、次という踏ん張りどころ。これが通れば、学位をもらえるはずだ。しかし、学位取得後の生活についてはまったくの未定。自分の研究にどっぷり使っていて、一般社会に適応できない人間になりそうだ。


今日はふらふらと近くのヨドバシカメラに行って、あたらしいMacを見に行った。そして、iPod touchをさわって、50回目くらいの欲しい病が出てきてしまった。風邪菌と相互作用して異常行動にならないかが自分で心配。



論文を書くという作業は楽しいが、苦しくもある。非常にエネルギーを使う。自分の研究が論文として成仏するまでには、そもそもの研究の問題設定から実験、解析、それを裏づける知識の獲得など相当のコストを払う。しかも、“あたる”かどうかは分からない。相当なギャンブルだ。他にギャンブルなどやる気も起きないくらいスリル満点ですよ。自分が生まれてからこれまでの人生の年表みたいなものを書いてみたら、いつのまにか、1/3くらい使っている。たしかに大学の1年くらいなんて、研究がどういうものかまったく知らなかったが、思え出せば、問題意識はあまり変わってない。工学部の友人に「自由意志なんて存在するんかな?」と思わずつぶやいて鼻で笑われたのを今でも思い出す。気がついたらクリックの驚くべき仮説をひねったアプローチで検証する研究をすることになった。つまり、自由意志というのも神経の活動ではないのか、ということ。

論文としてどこかで正式に発表されるようになったら、紹介するつもりですけど、簡単にふれておくと、その“ひねった”問題というのは、

  • いわゆる“下等”無脊椎動物に自由意志は存在するか?*1

という問題。神経科学の領域では人間の問題は動物実験でほとんど議論する。人間の脳に介入して実験することが難しいので、動物実験をする。そこではたとえばいわゆる“高等”霊長類を使った実験で、自由意志の問題が議論されるようになってきている。でも、生物学的には、高等、下等という言葉は偏見にすぎないのですよ。それでは、意識だ何だっていいながら、神経活動を取り上げながら議論しているけど、無脊椎動物にはそれに似た神経活動は存在するのか?ということです。で、存在したんですね、少なくとも相当するメカニズムがあるというふうにぼくは考えている。それを論文にまとめました。こう、ご期待。

参考文献;

自由は進化する

自由は進化する


山形さんの訳で、自由意志の問題と神経科学の関連が書かれている章がある(8章)。他、多くの論点から自由意志の問題を論じている。
The Volitional Brain: Towards a Neuroscience of Free Will

The Volitional Brain: Towards a Neuroscience of Free Will


これは論文集で、神経科学者、哲学者、心理学者、物理学者の論文が集まった、ちょっと不気味な本。僕もまだ読み進め中です。

*1:現実にはどこまで、どう、似ているかを検証して行く。O次郎さんの指摘にあるように、定義があいまいなので、ほんとうはどこまで“自由意志”っぽいか、を調べる作業をする。