シャコ・エビ日記

シャコパンチ、エビパッチン研究者の記録

ときどき小さい動物たちのことも思い出してやってください

うちのアパートの一階には古本屋がある。北12条書店という。今日は何となく入ってみたら、欲しいなと思っていた本が手に入った。このあたりには古本屋が2、3ある。大学を卒業していくときに本を売っていく人がいるのだろう。この本はほとんど新品だった。

Behavioral Neurobiology: The Cellular Organization of Natural Behavior

Behavioral Neurobiology: The Cellular Organization of Natural Behavior


大学院生の入門書的な位置づけの本でボスが持っているのでそれを借りたりしていた。この本のいいところは、個々の動物の固有性に迫ろうとしているところだ。それでいて全体がIntroduction(導入), Sensory World(感覚の世界), Motor Strategies(運動の戦略), Behavioral Plasticity(行動の柔軟性)の項目にわたって多すぎずまとまっている。それぞれの動物のスケッチも、なんというか、愛が感じられる。著者がアメフラシの専門家でもあるので、無脊椎動物の研究も取り上げてくれている。この本は、そういう意味でも専門家向け、専門を目指す大学院生向けの本なので、一般向けとして無脊椎動物の研究の面白さを概観するには以下の本をおすすめておく。

これは、まぁ、ザリガニを僕が研究しているので、ザリガニづくしの本を紹介。どれだけザリガニがさまざまな問題に答えてくれるのかが分かる。話のネタとしても、ザリガニは前からおしっこをするとか、そんなことも書いてある。著者の山口先生のザリガニへの愛が感じられる。さらに無脊椎動物の僕の研究分野の一般向けの本として、次の本がある。
昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)

昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)


こちらは、昆虫をメインに扱っている。広範に昆虫研究の面白さを取り上げていて、少々詳しすぎるのではないかと思う向きもあるが、意欲のある高校生にもすすめられる本だ。人間中心主義の研究ではなく、ある意味異端な存在である無脊椎動物から教わることがどれほど多いのかを知ってもらいたい。

「研究者たるもの、一般の方々に対して自分の研究をネタにして芸ができなければならない」とある先生がおっしゃっていたが、自分もこうした本なり、アウトプットをしていかないといかんなぁと思いつつ、古本屋をあとにして、大学の研究室に戻った。