シャコ・エビ日記

シャコパンチ、エビパッチン研究者の記録

博士に必要な能力とは?

知の編集術 (講談社現代新書)

知の編集術 (講談社現代新書)

コミュニケーション能力、ではなくて、編集力と言ったらどうだろうか。ただし、少し広い意味での情報を扱う能力としての編集力といってよい。もちろん、最終段階で求められる“論文”を書くにあたっての一般的な意味での編集力は言うに及ばず、問題設定から、実験科学ならば実験計画の設計なども含む意味での情報を扱う術が必要とされている。
データを扱う場合はその編纂compile能力、さらにデータの解釈、意味づけの能力である編集edit能力が博士に求められる能力と言えると思う。その両者を含めて編集力ということ。もちろん、扱う情報の種類によってそれらは専門化・細分化しており、“その道での情報編集力”が身につけるべき必要十分条件だと考える。各分野によってはそれぞれ独特の編集力を必要とされており、その必要に対して“まともに応答できる”ことが社会に求められていると言える。
ただ、学際的な分野も多く*1、編集力の幅が広く求められ、悲鳴を上げている博士も多いだろう。だが、編集力というのは、知識そのものというよりもその方法である。知恵というやつか。
ところで、編集というのは、創作とは異なる。むしろ創作は御法度だ。特に科学で創作は、捏造となる。文系であろうと、同じではないかな。ある情報の洪水に対して、それを切り分け、構造化し世に発表するというのが編集だ。対象としてのモノ(情報)は実験するなり、文献なり、与えられるモノである。発表すれば終わるというものではなく、常に応え続けることが求められるプロセスの中で問われる。

*1:動物生理学はかなり学際的で困る。