シャコ・エビ日記

シャコパンチ、エビパッチン研究者の記録

以前ボスに「このデータをこう解析したらたぶんこういう結果が出て、、」といいかけたところ、「それは答えの見えている仕事。いわゆる楽な仕事。答えの見えない仕事をしなければ、新しい事実は見えてこない。」と返されたことがある。実にこの通りであって、新しい事実を見出さねば意味はない。新しい成果を出さないで博士がとれることのほうが一般的だという意見があるが*1、これは博士課程進学者を増やした政策の副作用なのかもしれない。銅鉄実験*2を行って博士課程に進もうとは思わなかったし、困難な課題を解決するために今過ごすことができていることは幸せなことだ。

しかし、博士の研究生活を進めてきて実際に壊してしまったことも多い。他人とは「生きるフィールドが違う」のだ。それは社会人が違う業界にいるのとはわけが違う。問いかけに対して徹底的に取り組むということから得られる自分の成長が唯一の報酬だ。生きるフィールドが違うというのは、持っている問いが違うということだ。違う問いの空間で考えねば、どうして新しいことが分かるのだろう。

虚室に白を生ず。*3

*1:> [http://d.hatena.ne.jp/tihara/20071030#p1:title=イノベーションは多分これからさらに減っていく]

*2:[http://www.yodosha.co.jp/btjournal/keyword/406.html:title=語源は,銅を材料にしてすでに結果が発表されている研究を,鉄を材料に変えて追試する実験から来ている.転じて,結果は約束されているがオリジナリティーや新奇性に乏しい研究のこと。]

*3:人のだれもいない部屋にいると、夜の闇の中にも白いものが見えてくる。心をむなしくすれば、世の中のことがおのずとわかる。